
AI 技術の進展に伴い,画像認識による顔認証,テキスト・音声を通じて会話するチャットボット,人材マッチングによる採用支援,顧客の信用力スコアリングによる与信審査など,AI 技術を利用したシステムである AIシステムの導入事例が増えてきている。一方,AI システムには,予測・判断結果の解釈が難しかったり,精度が低かったりすることがあるので,機能要件を確定してから構築する従来の開発手法による対応では難しくなる。また,精度を高めるための収集データの加工に多くのコストが掛かったり,ベンダが有するノウハウなどの権利帰属の問題によって,ユーザの利用時に制約が生じたりすることも想定される。
本問では,システム監査人として,AI システムの利用段階において想定されるリスクを踏まえて,AI システムの導入目的,開発手法,ユーザ・ベンダ間の取決めなどが適切かどうかを企画・開発段階において監査するための知識・能力などを問う。